開催報告:和の文化講座「和の庭 〜 観じる小宇宙」

和の庭:リーフレット(カラー)

NPO法人和の文化研究会では、2012年5月20日(日)午後、第7回和の文化講座「和の庭 〜 観じる小宇宙」を松風園で開催致しました。

当日は、会場がほぼ満席となる二十数名の方にご参加いただき、専門的な内容ながらわかりやすく、今後の庭散策の手ほどきになる充実した楽しい講座となりました。

【第1部:講演】

樹木医 都地 輝樹氏

1953年福岡県生まれ。73年西日本短期大学造園学科卒業、78年に株式会社都市造園に入社、03年より同社代表取締役就任、現在に至る。

講師が長年携わってこられた造園・庭園管理のお仕事の体験から、またプロとしての視点から、映像を駆使されて日本の庭園史の概要を述べられ、さらに大徳寺大仙院庭園や龍安寺方丈庭園を例示されながら、日本庭園の典型的意味を説明して下さいました。特に、日本庭園は神の宿る場所という意味合いをも持ち、仏教の影響を受けながら、思想的小宇宙として発展してきたお話が印象的でした。

【第2部:対談】

  • 樹木医 都地 輝樹氏
  • 哲学者 荒木 正見(NPO法人和の文化研究会理事長)

講演で述べられた内容のうち、主に庭園の構造的側面について再確認し、哲学者・心理学者としての対談者の立場から、それぞれの庭の構造の持つ心理的意味を解説した後、講師が若いころに設計した庭園のパース(スケッチ)と設計図の相違点から、その時期の講師の心理を言い当てるといった試みを行いました。

【第3部:お茶を楽しみながら質疑応答】

参加者自身の庭造りの苦労や、さらには、専門的な庭の思想史社会史的意味などについての深い質問など、和気藹々とした雰囲気で質疑応答が行われました。

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